「似ている」ことへの、自然な願い
髪や瞳の色、肌の色調、顔立ち、体格。こうした外見にあらわれる特徴のまとまりを「表現型」と呼びます。ドナーを選ぶとき、多くの方が最初に意識するのがこの表現型の近さです。「わが子が、自分たちに似ていてほしい」——それは家族としての自然な連続性を望む、ごく普通の気持ちです。
大切なのは、この願いが「子どもに事実を隠すため」のものではない、ということです。ミライライフIVFは、子どもが自らのルーツを知る「出自を知る権利」を尊重することを情報提供の前提としています。告知をする家族にとっても、似ていることは日々の暮らしの安心につながります。似ているから隠せるのではなく、似ているから告知の物語をおだやかに紡げる——検討されたご家族の多くが、そう話されます。
ところが、国内では「日本人ドナー」に出会いにくい
逆説的ですが、日本国内でドナー精子による治療(AID:非配偶者間人工授精)を受ける道は、年々細くなっています。数字で見ると変化は明らかです。
| 〜2017年 | 大学病院を中心に国内AIDが実施され、最大手の1施設だけで年間約2,000件の治療実績(2016年) |
| 2017年 | ドナー候補者への「出自を知る権利」の説明開始を機に、ドナーのなり手が大きく減少 |
| 2018年 | 国内AIDの約半数を担ってきた大学病院が、新規患者の受け入れを停止 |
| 2020年 | 実施を表明する施設は全国12施設中7施設に。うち2施設は新規受け入れ停止 |
| 2021年 | 全国の治療件数は163件まで縮小 |
誤解のないように書き添えると、この縮小は「悪いこと」の結果ではありません。生まれてくる子どもの権利に社会が向き合いはじめた結果、匿名を前提とした従来のしくみが立ち行かなくなった——いわば倫理観の成熟がもたらした過渡期です。ただ、その過渡期のしわ寄せは、いま治療を必要としている方に向かっています。「日本人ドナーの精子で治療したいのに、日本ではむずかしい」。これが現在地です。
海外の精子バンクでは、なぜ足りないのか
「それなら海外の大手精子バンクを使えばいい」と考える方も多いはずです。実際、欧米には数百人規模のドナーを擁する精子バンクがあり、ID開示のしくみも整っています。ただしそこで登録されているドナーの大半は欧米系で、日本人・東アジア系のドナーはごくわずかです。表現型の近さを大切にしたい方にとって、選択肢は事実上ほとんど残されていません。
つまり課題は二重です。国内には制度の壁があり、海外バンクには「日本人ドナーの少なさ」という壁がある。この二つの壁のあいだにあるのが、次の組み合わせです。
「海外で治療 × 日本人ドナー」という組み合わせ
発想はシンプルです。治療は、制度が整った国の医療機関で。精子は、日本人ドナーのものを。この二つを切り分けて組み合わせることで、国内の制度の壁と、海外バンクの表現型の壁を同時に越えられます。
- ドナー — ミライライフIVFの独自ドナーネットワークと提携精子バンクから、日本人ドナーの情報をご案内します(ID開示・非開示の選択を含む)。
- 治療国 — ソロ女性・女性カップルも制度上対象になる国、ご夫婦の治療に強い国など、あなたが対象になる国から選びます。
- 治療 — IVF/IUIそのものは、その国の医療機関が行います。私たちは情報整理と段取りを支えます。
よくある誤解に、先に答えます
日本人ドナーの精子を使うのは、違法ではないの?
日本には、生殖補助医療の実施そのものを規制する法律がまだありません(2026年7月確認)。親子関係については特例法が整っており、海外での治療はその国の制度に従って行われます。「違法だからできない」のではなく、「国内に受け皿が少ない」が正確な現状です。法的な確認事項は法律・親子関係で解説しています。
ドナーは匿名しか選べないのでは?
いいえ。子どもが将来ドナーの情報にアクセスできる「ID開示(オープン)ドナー」というしくみを選べる場合があります。匿名か開示かは、価格や利便性より先に考えたい、いちばん大切な軸です。くわしくはドナーの選び方へ。
子どもには隠したほうがいいの?
国内で例外的に認められている卵子提供の枠組みでも、子どもへの告知と出自を知る権利の承認が条件とされています。隠すことを前提にした家族づくりは、いまの時代の標準ではありません。告知の考え方も、ご相談のなかで一緒に整理できます。
この道が向いているのは、こんな方
- 無精子症などで、ご自身の精子での治療がむずかしいと診断されたご夫婦
- 国内AIDの待機・受け入れ状況に限界を感じているご夫婦
- 選択的シングルマザーを考えていて、日本人ドナーを希望するソロ女性
- ふたりでの妊活を考えている女性カップル
- 「子どもが将来ルーツをたどれること」を大切にしたい、すべての方
国内AIDの数値:公開資料にもとづく(2026年7月確認)。当ページは教育・情報提供を目的としており、特定の医療機関・治療法をすすめるものではありません。
つづきは、あなたの状況にあわせて。
3つの入口(ご夫婦・ソロ女性・女性カップル)ごとの検討ポイントへ進むか、いまの状況を直接ご相談ください。